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2007.07.14 Saturday

SiCKO

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    sicko
    今年12作目。
    Michael Moore監督の最新作。

    今回のターゲットはアメリカ医療保険。
    アメリカの医療保険は日本と違い国民皆保険ではない。
    政府が国民に対して医療費の面倒をみるのではなく
    保険会社が雇用会社を通して面倒をみる。

    だから当然雇用主によって保険会社は変わるし、
    カバーされる医療内容も変わる。
    また民間による運営なので利益優先の運営となってしまい、
    例え医療保険に加入していたとしても、様々な理由を突きつけられて
    支払い拒否されることも多々あるようだ。

    この映画では、そのような医療保険に加入できない人々あるいは
    加入していても難癖をつけられて泣きを見た人が次々と紹介されている。
    アメリカの嫌な一面を克明に綴った映画だと思う。
    出演者の一人である、おじいさんが言っていた一言が心に響いた。
    「(79歳になっても)薬を買うために働く、死ぬまで働くのさ。」
    なんて悲しい現実だろう。

    かつてビル・クリントンが大統領に就任した時に、
    ファーストレディーだったヒラリー・クリントンは
    この医療保険制度を改革しようとしたが
    結局達成できなかった。あの時に、もし改革が成功していたら
    アメリカの医療制度は相当変化していたと思う。
    (なぜ改革できなかったのかは現在勉強中)
    ヒラリーは現在大統領候補になっているが、恐らく彼女が
    大統領になったとしても、もう医療保険改革は望めそうにない。
    驚くことに、医療保険会社から政治家への献金額ナンバー2はヒラリーなのだそうだ。

    アメリカの医療保険の現状を暴くということでは、非常にいい映画だとは思うけど、
    では国民皆保険制にすればすべて解決するのだろうか?
    映画の中ではアメリカの対比として、カナダ・イギリス・フランス・キューバの話が出てきて、国民皆保険制万歳!みたいな描き方がされているけど、本当にそうなのだろうか?
    そういう社会保険に手厚い国は、重い税金を課されることになるはず。
    アメリカの民間医療保険システムはだめで、他国の国民皆保険は素晴らしい!という
    あまりに単純な理論展開は、あーMichael Mooreも二分法な思考の持ち主なのかなぁ
    と、ちょっと落胆。

    日本でも最近は年金問題が表面化してきているけど、医療保険財政が問題になるのも
    それほど遠い未来の話ではないと思う。医療保険システムの策定って、心底難しい問題なんだろうなぁ、と思った。

    いろいろな考えが交錯したけど、アメリカの医療保険システムを知るのには
    非常に良い映画だと思う。
    2017.07.17 Monday

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      コメント
      オーストラリアの医療は国民皆保険のメディケアと、
      任意で入るプライベート保険があるのね。
      私は両方入ってるんだけど、国民皆保険だけでも無料もしくは安く治療を
      受けられるんだけど、お医者さんを選べない、待たされる、個室に入れないなどの
      制約があって、プライベート保険に入ってるとホテル並みの病室に入れるの。
      この両極端の真ん中くらいに落ち着けばいいのに…と思ってます。
      • ペケ
      • 2007.07.15 Sunday 00:43
      >ペケさん
      オーストラリアは、皆保険に加えて
      個人加入の保険があるんですね。
      とりあえず最低限の保険は全て加入、
      残りのプラスアルファの分は自己負担というのは
      一つの解決方法であると思います。
      • Taus
      • 2007.07.17 Tuesday 13:01
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      ほんとなの?SiCKO
       マイケル・ムーア監督のボウリング・フォー・コロンバイン、Fahrenheit911も衝撃的だったが、アメリカの医療を取り扱った新作SiCKOは前作にもまして話題を呼んでいるらしい。 森田玄さんのブログでは、ブッシュへの
      • A Tree at Ease
      • 2007/07/14 10:29 PM
      映画「SiCKO」
      話題のドキュメント映画「SiCKO」を観たわん♪日本では8月公開だって。公式サイト Michael Moore(マイケル・ムーア)監督といえば、米国銃社会問題に切り込んだ「ボウリング・フォー・コロンバイン」や、ブッシュ大統領批判の「華氏911」を製作した要注意人物。
      • TimTamなコノゴロ
      • 2007/07/15 12:43 AM
      シッコ
       『ムーア先生、急患です。』  コチラの「シッコ」は、「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」のマイケル・ムーア監督が『テロより怖い、医療問題。』に斬り込んだ8/25公開の社会派ドキュメンタリーなのですが、劇場鑑賞券が当たったので、観て来ちゃ
      • ☆彡映画鑑賞日記☆彡
      • 2007/09/02 10:45 PM
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